日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肺腫瘍との鑑別が困難であった特発性肺内血腫の2例
鎌田 嗣正櫻井 裕幸中川 加寿夫渡辺 俊一蔦 幸治淺村 尚生
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キーワード: 特発性肺内血腫, 肺腫瘍
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2015 年 29 巻 1 号 p. 73-77

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抄録

症例1は53歳,男性.他院で下行結腸癌に対して結腸切除,多発肝転移に対して全身化学療法を施行後,CTで両肺に最大径10 mm,境界明瞭,辺縁整,内部均一な結節影を指摘され転移性肺腫瘍の疑いにて当院を紹介受診した.右肺上葉部分切除術を施行し血腫と診断された.慢性心房細動に対してWarfarin内服中であった.症例2は67歳,男性.弁置換術後のためWarfarin内服中,左肺下葉に造影効果のない,径29 mm,境界明瞭,辺縁整,内部均一な結節影を指摘され当院を紹介受診し,CTガイド下生検で血腫と診断された.経過で肺結節は縮小した.いずれも先行する外傷などの既往はなく,特発性肺内血腫と診断した.

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