日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
原著
肺癌手術における周術期口腔機能管理の術後肺炎予防効果
西野 豪志滝沢 宏光澤田 徹河北 直也坪井 光弘梶浦 耕一郎鳥羽 博明吉田 光輝川上 行奎近藤 和也山村 佳子東 雅之
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 31 巻 4 号 p. 432-438

詳細
抄録

【目的】肺癌手術における周術期口腔機能管理の肺炎予防効果を検討した.【対象】2013年4月~2015年3月に原発性肺癌に対して胸腔鏡下肺葉切除術を行った連続100例を対象とした.周術期口腔機能管理導入前後で介入群50例,非介入群50例に分類し検討した.【結果】患者背景,腫瘍因子,手術因子には有意差を認めなかった.術後合併症は,介入群で5例(10.0%),非介入群で16例(32.0%)と介入群で有意に少なく,術後肺炎は,非介入群では6例(12.0%)にみられたが,介入群では1例もみられなかった.術後に発熱を認めた症例は,介入群で有意に少なく,術後CRP値は,介入群で低い傾向にあった.術後在院日数は,介入群で有意に短かった.【結語】周術期口腔機能管理には肺癌の術後肺炎を予防する効果がある可能性がある.今後,医科歯科の連携を強め,広く行われるべきであると考える.

著者関連情報
© 2017 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top