日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
血液透析患者に対する肺癌手術症例の検討
正村 裕紀数井 啓蔵敦賀 陽介坂本 聡大矢部 沙織
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キーワード: 血液透析, 肺癌, 手術
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2017 年 31 巻 7 号 p. 842-846

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抄録

近年高齢化に伴い血液透析(以下HD)患者の肺癌を手術する機会が増加している.2010年1月から2015年12月までに当院で原発性肺癌に対して手術を施行したHD患者症例7例(男性4例,女性3例)を対象にその成績を検討した.平均年齢は70.3歳,透析歴は平均9.6年であった.術式は肺葉切除5例,区域切除,部分切除が各1例であった.病理病期はIA:4例,IB:2例,IIA:1例であった.手術時間は平均149分,出血量は平均281 mLであり,1例で輸血を行った.すべての症例で胸腔鏡下に行ったが2例で開胸移行した.術後在院日数は平均13.8日であった.術後合併症はシャント閉塞1例,肺膿瘍1例であった.予後は2例で再発をきたした.また1例が脳梗塞で他病死した.HD患者に対する肺癌外科治療は心血管などの合併症を高率に有するため手術操作および周術期管理には十分な注意が必要であると考えられた.

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