2017 年 31 巻 7 号 p. 853-858
慢性閉塞性肺疾患既往の68歳男性.CTにて右S1に75 mm,右S3に25 mm,右S2に17 mmの腫瘤及び結節を認め,S1病変は気管支鏡検査で扁平上皮癌と診断.病変は右上葉内に限局していた為,胸腔鏡下右肺上葉切除+ND2a-1を施行.病理はS1が腺扁平上皮癌,S3が大細胞神経内分泌癌,S2が大細胞神経内分泌癌の肺内転移であった.#11sリンパ節に腺扁平上皮癌の転移を認め,病期は腺扁平上皮癌がpT3c(pl3)N1M0-IIIA,大細胞神経内分泌癌がpT3(pm1)N0M0-IIBとなった.S1病変は胸壁切離断端陽性であった為58 Gyの術後照射を追加した.稀な組織型の二重肺癌切除例を経験したので報告する.