52歳男性.左下葉肺腺癌cT2aN1M0 c-Stage IIAで,原発巣が左A6及びB6根部に及び,左肺全摘出術の可能性があり,シスプラチン及びゲムシタビンの導入療法を2コース施行後,左下葉切除術,気管支楔状切除術,肺動脈形成術,リンパ節郭清術を施行した.ypT2aN1M0 yp-Stage IIAと診断,カルボプラチン及びパクリタキセルによる補助化学療法を2コース施行した.術後1年2ヵ月に右前頭葉転移病巣に対して,開頭腫瘍摘出術を施行した.術後3年11ヵ月に両側頸部リンパ節転移を認め,合計40 Gyの放射線照射を施行したが縮小が得られず,エルロチニブの内服を開始した.使用後約1ヵ月でMRI上陰影が消失し,使用後4ヵ月でFDG-PET/CT上異常集積が消失したが,薬剤性肺炎の可能性が否定できずエルロチニブを中止した.原発巣術後12年3ヵ月,最終治療から7年10ヵ月の現在,再発なく生存中である.