2017 年 31 巻 7 号 p. 901-904
症例は77歳女性.多発すりガラス陰影(ground glass nodule:GGN)で定期通院中に,CT検査にて左S3のGGNが増大傾向にあり内部に高吸収域も出現した.早期肺癌を疑い胸腔鏡下左肺部分切除を行ったところ,術後病理検査でGGNはperibronchiolar metaplasia(PBM)の診断であり,同一標本内に上皮内肺腺癌(adenocarcinoma in situ:AIS)を認めた.顕微鏡画像上,PBMと診断された白色結節とAISは連続しておらず,PBMに早期肺腺癌が併存しているものと考えられた.PBMとAISが併存していた例は報告が見当たらず,まれな一例であったと考えられる.