日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
気管支断端瘻に対して綿密な栄養管理を行い治癒せしめた1例
岡田 悟常塚 啓彰古谷 竜男加藤 大志朗島田 順一井上 匡美
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2018 年 32 巻 1 号 p. 104-110

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抄録

症例は79歳,男性.BMI 17.4 kg/m2,Alb 3.1 g/dl,PNI 37.4と低栄養を認めた.肺扁平上皮癌,cT3N1M0 Stage IIIAに対し右肺下葉切除ND2a-2を施行した.術後11日目に気管支断端膜様部に5 mmの欠損孔を伴う気管支断端瘻・吸引性肺炎を発症し開窓術を施行した.低栄養・食思不振に対して経鼻チューブを用いた栄養療法を導入した.投与熱量は半減期の短いプレアルブミンを指標に調整し,最高で3,600 kcal/日の投与を行った.瘻孔周囲の肉芽形成が促進され膿胸腔は縮小した.開窓術73日後に胸郭成形+広背筋弁充填術を施行し87日後に退院となった.至適投与熱量は病態によって変動しうるため,適切な栄養状態のアセスメントと栄養療法の工夫が気管支断端瘻による有瘻性膿胸の治療に有効な可能性があると考えられた.

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