2018 年 32 巻 5 号 p. 568-572
症例は42歳男性,左重症肺炎に合併した右緊張性気胸を発症し,急性呼吸不全にて当院へ救急搬送された.ただちに右胸腔ドレナージを施行して右肺の拡張が得られ,一旦呼吸状態は改善した.しかしその約2時間後,再膨張性肺水腫を発症し,急速に呼吸不全が悪化,ショック状態となったため,Veno-venous extracorporeal membrane oxygenation(V-V ECMO)を導入した.
ECMO導入後,全身状態は速やかに改善し,5日目に離脱することができた.また,ECMOに起因する合併症や後遺症は認めなかった.その後,手術と胸膜癒着術を施行し気胸は治癒,入院43日目に無事に退院した.