日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
膿胸に対する開窓術施行例における気管支充填術・持続陰圧吸引療法およびその併用療法の有用性に関する初期検討
大塚 綱志中村 好宏武田 亜矢梅原 正鈴木 聡一徳永 拓也上村 豪永田 俊行青木 雅也横枕 直哉狩集 弘太佐藤 雅美
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2018 年 32 巻 6 号 p. 668-673

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抄録

有瘻性膿胸や感染コントロール不良な無瘻性膿胸では開窓術が行われることが多い.開窓は精神的な負担や美容上の問題があり,早期の創閉鎖が望まれる.最近,有瘻性膿胸に対する気管支充填物(Endobronchial Watanabe Spigot:EWS)や無瘻性膿胸に対する持続陰圧吸引療法(NPWT)の有用性が報告されている.そこで膿胸の開窓症例に対するEWS・NPWTおよびその併用療法の有用性を検討した.2009年1月から2015年12月までに当科で開窓術を施行した膿胸症例26例を対象とし,無瘻性群8例と有瘻性群18例に分けて後ろ向きに検討した.無瘻性群は8例中6例で膿胸腔閉鎖を施行し得た.有瘻性群18例中6例で開窓術後に瘻孔が自然閉鎖し,創閉鎖した.残り12例のうち5例に対してEWS留置を行い,全症例で無瘻化または気漏減少を得た.その後全例にNPWTを施行し,4例で創閉鎖を行えた.

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