日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肺癌と鑑別を要した孤立性乳頭腫の一切除例 ―本邦報告例78例の検討―
中島 拓也木村 文平布村 眞季唐沢 知之安東 沙和下山 武彦
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2018 年 32 巻 7 号 p. 792-798

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抄録

症例は80歳代の男性.胃癌術前精査にて左肺下葉結節を指摘された.経過観察すると増大傾向にあり,FDG-PET CTで同部位にFDGの集積を認めた.血液検査にてSCCの上昇を認めた.TBLBでは確定診断に至らず,原発性肺癌cT1N0M0を疑って手術の方針となった.開胸時針生検での術中迅速診断でも悪性が否定できず,VATS左下葉切除を行った.永久標本で扁平上皮腺上皮性混合型の乳頭腫と診断された.癌化もなく,HPV感染も認めなかった.本邦における組織亜型について記載のある報告例78例を検討した.本疾患は肺癌との鑑別を要する場合があり注意を要するが,完全切除により根治できると思われる.

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