日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
特発性右肺動脈瘤の1手術例
福島 尚子松平 秀樹石川 あい小川 匡市大木 隆生
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キーワード: 肺動脈瘤, 特発性, 手術
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2019 年 33 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

症例は78歳男性.5年前からの胸部違和感を自覚し当院循環器内科を受診した.冠動脈疾患は否定的であったが,以前から心臓超音波検査にて上行大動脈の拡張を認めた.そのため施行した造影CTで右肺動脈A1b起始部に30 mm×18 mm×18 mmの造影効果を伴う紡錘状拡張を認め,肺動脈造影の結果,肺動脈瘤の診断となった.

手術適応と判断し第4肋間で前側方開胸し,右肺上葉切除を施行した.術中,右上葉に腫瘤および同部位に拍動を触知した.術前診断どおり上幹動脈が責任血管と判断し,全ての手技に先行して上幹動脈を血管用自動縫合器で切離した.切離後は拍動が消失した.術後10日目で合併症なく経過良好にて退院となった.病理所見では最大径12 mmの血管の紡錘状拡張を認め,上幹動脈末梢の流出動脈と交通していた.組織学的には内膜肥厚と中膜断裂を認めたが,炎症所見は認めず特発性肺動脈瘤と診断した.術後1年現在,経過良好である.

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