日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肺原発滑膜肉腫に対する3-port胸腔鏡下肺葉切除術後,5年間の無再発生存を得た1例
油原 信二河野 匡藤森 賢鈴木 聡一郎藤井 丈士
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2019 年 33 巻 1 号 p. 80-84

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抄録

滑膜肉腫は若年成人の四肢関節近位部に好発する悪性軟部腫瘍であり,肺原発は稀である.今回,肺原発滑膜肉腫に対し3-port胸腔鏡下右上葉切除+リンパ節郭清(ND2a-1)を施行し,5年間の無再発生存を得た1例を経験したので報告する.症例は生来健康な42歳男性.検診Xpで右上肺野に結節影を指摘され,造影CTでは右S2に12×9 mm大の結節性病変を認めた.肺癌を疑い胸腔鏡下右上葉部分切除を施行.術中迅速病理で孤立性線維性腫瘍や滑膜肉腫が鑑別に挙がる紡錘形腫瘍細胞と判断し,部分切除のみで手術終了とした.術後病理組織診でRT-PCR法によりSYT-SSX2型の融合遺伝子を認め,滑膜肉腫と診断.肺外に原発巣を認めず肺原発滑膜肉腫と診断し,初回手術より1ヵ月後に胸腔鏡下右上葉切除+ND2a-1を施行.腫瘍残存やリンパ節転移は認めなかった.定期的に全身PET-CTを施行し,術後5年現在再発を認めていない.

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