日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
複数の肋間に数珠状に多発した胸腔内神経鞘腫の1切除例
岩井 俊船崎 愛可本野 望関村 敦薄田 勝男浦本 秀隆
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2019 年 33 巻 1 号 p. 85-89

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抄録

症例は30代,女性.健診の胸部X線で右肺尖部の結節影を指摘された.胸部CTで右第1および第2肋間に境界明瞭で内部不均一な結節性病変が3つ存在した.胸部MRIのT2WIで内部は高信号を呈し,リンパ管腫あるいは囊胞性変化を来した神経原性腫瘍を疑い,手術を施行した.術中所見では,表面平滑な結節性病変が第1肋間および第2肋間に数珠状に3つ存在し,完全鏡視下にすべての病変を摘出した.病理所見は異形成の乏しい紡錘形細胞の柵状配列を示す部分(Antoni A)と,粘液性器質が主体の部分(Antoni B)が混在しており,一部に囊胞性変化や血管壁の硝子化を認め,神経鞘腫と診断された.通常は孤立性発生であり,数珠状に多発する神経鞘腫の報告は散見されるが,複数の肋間に多発した神経鞘腫の報告は極めて稀である.胸腔内に多発する神経鞘腫の文献的考察を加えて報告する.

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