日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
術前化学療法が奏功し右肺全摘術を回避しえたcT4局所進行肺腺癌の1例
余田 誠岡本 圭伍林 一喜賀来 良輔大塩 恭彦花岡 淳
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キーワード: 肺癌, 化学療法, 縮小手術
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2019 年 33 巻 6 号 p. 594-598

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抄録

症例は70歳,男性.血痰を主訴に紹介受診,右下葉非小細胞肺癌(cT4N1M0,c-stageIIIA)と診断した.術後予測肺機能が低値のため根治手術として右肺全摘術を行うことは高リスクと判断し,全身化学療法を先行した.化学療法が著効(ycT1aN0M0,yc-stageIA1)し,残存病変を区域切除で完全切除することが可能であった.術後12ヵ月経過した現在,再発はみられていない.切除困難局所進行肺癌症例でも術前化学療法が奏功し,縮小手術でも病理学的完全切除でき,ADLの維持が可能であった.

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© 2019 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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