日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
異時性多発胸腺腫の1例
上村 亮介松岡 英仁
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キーワード: 胸腺腫, 多発胸腺腫, 異時性
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2019 年 33 巻 7 号 p. 744-748

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抄録

86歳男性.全身状態不良で左胸腔からの胸腔鏡下胸腺腫摘出術を行った無症候性胸腺腫(28×12 mm,type B2,正岡II期)の術後1年目に,胸部CTで左肺動脈幹左側に20×12 mmの境界明瞭な扁平腫瘤陰影を認めた.明らかな増大傾向があり,多発胸腺腫もしくは再発の診断で前回手術後の全身状態が改善したことを考慮して胸骨正中切開で胸腺腫胸腺摘除術を施行した.術後病理検査ではtype B3,正岡I期の胸腺腫と診断された.本例は胸腺腫の組織亜型が異なっていたため多発と考えられた.胸腺腫は多発発生の可能性があるため胸腺腫胸腺摘除術が望ましいと考える.

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