日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
造影超音波検査により横隔膜交通症を診断し胸腔鏡下手術で治療した肝性胸水の1例
島津 夢太山﨑 順久田中 宏和渡辺 裕介園部 誠米門 秀行
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2019 年 33 巻 7 号 p. 754-758

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抄録

肝性胸水は肝硬変に伴う漏出性胸水の貯留であり,横隔膜の瘻孔により腹腔と胸腔とが交通し,腹水が胸腔内に流入するということが原因の1つとして知られている.我々は難治性の肝性胸水に対し,超音波造影剤であるペルフルブタンを腹腔内に注入し造影超音波検査を行うことで横隔膜の瘻孔を同定し,胸腔鏡にポリグルコール酸シート付きの自動縫合器を用いて瘻孔を閉鎖した例を経験した.造影超音波検査は簡便であり,手術前に瘻孔の局在を確認できるので有用であると考えられた.

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