日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
乳癌術後経過観察中に出現し急速な増大がみられた胸壁hibernomaの1例
阪口 全宏
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2020 年 34 巻 1 号 p. 77-80

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抄録

胸壁発生のまれなhibernoma(褐色脂肪腫)の1例を経験したので報告する.症例は,49歳女性.右乳癌に対し,右乳房全切除術およびセンチネルリンパ節生検を受け,内分泌療法実施下に経過観察中,術後2年目に右胸壁腫瘤を指摘された.画像上,浸潤所見に乏しかったが3カ月で急速に増大したため,悪性病変も否定できず診断の確定と病巣の摘除目的に胸腔鏡下切除術を行った.組織所見では,1個の空胞を有する成熟した脂肪細胞と細胞質に多数の小さな空胞がみられる褐色脂肪細胞様の2種類の異なる脂肪細胞が混在しており,hibernoma(褐色脂肪腫)と診断された.

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