日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
両肺にびまん性多発粒状影を示した良性転移性平滑筋腫の1例
川岸 耕太朗竹内 幸康河中 聡之小来田 佑哉香川 優子奥村 明之進
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2022 年 36 巻 4 号 p. 414-417

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抄録

55歳女性.既往歴は脳梗塞,子宮筋腫,高血圧,II型糖尿病.脳梗塞の精査のCTで両肺にびまん性多発結節を認め,肉芽腫性病変を疑われ当院内科を紹介受診された.結核・非結核性抗酸菌症は否定され外科的生検目的に当科紹介となった.胸腔鏡下右上葉部分切除を施行した.病理組織像で短紡錘形の細胞増殖が認め,Estorogen・Progesteron receptorが陽性であり,良性転移性平滑筋腫の診断となった.閉経直前であることからホルモン療法は導入せず,経過観察とした.術後8ヵ月で胸部画像所見の進行は認めていない.BMLは子宮筋腫の既往のある女性に発症する稀な疾患である.子宮筋腫核出術などを誘因とする血行性播種が多いとされているが,本症例では子宮手術の既往はなく明らかな原因は不明である.両側びまん性粒状影を認めた場合,子宮筋腫の既往がある女性ではBMLの可能性も考慮する必要があると考えられた.

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