日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肋骨骨片による外傷性気胸に対し胸腔鏡下摘出が有用であった一例
笹本 晶子松本 卓子片桐 さやか清水 俊榮前 昌宏
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2022 年 36 巻 4 号 p. 455-458

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抄録

症例は58歳男性.飲酒後転倒し前医を受診した.右第9~11肋骨骨折を認め,受傷4日目に右外傷性気胸を発症した.胸腔ドレナージにて改善するも,退院後に右気胸が再発し手術目的に当院に紹介となった.右第10肋骨骨折部の骨片突出による肺損傷と診断し,翌日3ポートにて胸腔鏡下に,生検鉗子を用いて肋骨骨片を摘出し右肺下葉部分切除を追加した.術後3日目に経過良好のため退院となった.外傷性気胸で最も多い原因は骨折した肋骨による肺損傷とされ,胸腔ドレナージのみで空気漏れが持続する場合は手術が検討される.今回胸腔内から肋骨骨片を摘出した症例を経験したため報告した.

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