日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
シクロスポリンの維持投与終了後も長期間の寛解がえられた胸腺腫合併赤芽球癆の1例
山﨑 順久洪 雄貴坂口 泰人田中 宏和園部 誠
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2022 年 36 巻 4 号 p. 459-464

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抄録

62歳,男性.呼吸困難感のため救急外来を受診され,ヘモグロビンが4.1 g/dLの高度貧血で,骨髄検査では赤芽球のみが低形成,胸部CTでは右肺上葉の結節影と前縦隔の腫瘤影を認めた.胸腺腫を合併した赤芽球癆と診断し,胸腔鏡下胸腺腫摘除術,右肺部分切除術を施行した.病理組織検査では正岡分類I期,type AB胸腺腫および肺過誤腫であった.術後8日よりシクロスポリンを導入した.寛解を得てシクロスポリンを緩徐に減量し,術後1年4ヵ月に投与を終了した.術後5年を経過し,赤芽球癆は寛解を維持しており,胸腺腫の再発も認めない.胸腺腫を合併した赤芽球癆に対する胸腺腫摘除の効果は乏しいとされる一方,シクロスポリンは奏功率が高く,導入療法および維持療法に使用される.シクロスポリンの維持療法終了後も寛解を維持した稀な症例であり,胸腺腫摘除が寛解に寄与した可能性が示唆されたため,文献的考察を加え報告する.

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