日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
胸腔鏡下に切除した肝細胞癌右下前縦隔リンパ節転移の1例
竹井 大貴下山 孝一郎山口 彩三浦 史郎阿比留 正剛田川 努
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2022 年 36 巻 4 号 p. 465-471

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抄録

横隔膜浸潤した肝細胞癌右下前縦隔リンパ節転移の胸腔鏡下切除例を経験したので報告する.症例は64歳男性,2年前に肝細胞癌に対してTranscatheter arterial embolizationとS8の肝部分切除を施行した.経過観察中のCTで右心横隔膜角部に結節影を認め,増大傾向がみられたため肝細胞癌の転移を疑った.8 mmHgの炭酸ガス送気下に胸腔鏡下腫瘍切除術を施行した.腫瘍は右肺中葉と横隔膜に癒着し,浸潤が疑われたため,右肺中葉および横隔膜を一部合併切除した.病理診断は肝細胞癌のリンパ節転移で,横隔膜浸潤も認めた.肝細胞癌の孤立性縦隔リンパ節転移は非常に稀であるが,解剖学的に肝臓から横隔膜を通り縦隔を経るリンパ流路もある.病変が限局していれば肉眼的完全切除をすることで予後の改善につながる可能性があり,外科的切除は有効な治療選択肢と考える.

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