日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
症例
妊娠14週で初発気胸と診断され,妊娠21週に手術施行し,月経随伴性気胸と診断した1例
藤村 崇生関 幸雄蒔田 采佳市原 智史武田 裕介安田 あゆ子
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 39 巻 6 号 p. 533-538

詳細
抄録

症例は,35歳女性.第1子妊娠14週に呼吸困難を主訴に受診され,右II度初回気胸の診断で胸腔ドレナージのみで15日目に軽快退院された.妊娠19週,再度右II度の気胸を指摘され,前回同様すぐにわずかな気漏となるが閉鎖せず,妊娠21週の入院15日目に手術を全身麻酔,分離換気,側臥位,胸腔鏡下に施行した.術中気漏は確認できず,横隔膜面は,褐色調の変化はみられたが積極的に月経随伴性気胸を疑う所見ではなかった.肺尖部に胸帽針等大の多数のブレブと中葉に2 mm大のブレブを認めたため,補強材付き自動縫合器で2ヵ所肺部分切除を施行した.病理検査で,月経随伴性気胸に矛盾しないと診断された.術後5日目に退院され,妊娠39週に健児を出産した.妊娠中に発症し診断される症例は限られるため考察を加え報告した.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top