昭和62年末までに, 当施設で手術を施行した, 外傷性気道損傷の術後遠隔成績を, 呼吸機能と気道の修復状態の点から検討した.経過観察期間は1年から11年平均5年であった.外傷後急性期に手術を施行した4例では, 遠隔成績は良好であった.外傷後一定期間 (4-9ケ月) を経て手術をした6例では, 全て受傷直後に気胸及び皮下あるい縦隔気腫を伴い, 早期診断が可能であった.術前中下葉無気肺を呈した1例と二次性肺炎の既往をもつ2例では, 総合肺機能は正常であったが, 肺シンチグラムで患側肺の換気分布が低値を示した (患側 : 健側=43 : 57, 41 : 59, 45 : 55).さらに, Barclay氏手術をうけた気管分岐部狭窄例では, 吻合部に気管気管支軟化症の所見が得られ閉塞性換気障害を示した.以上から, 本症の遠隔成績を向上するためには, 受傷後早期の診断と外科治療が重要である.