日本呼吸器外科学会雑誌
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術前に前縦隔腫瘍と診断された限局性線維性胸膜中皮腫の一例
富山 憲一福瀬 達郎中村 隆之池 修乾 健二水野 浩横見瀬 裕保和田 洋巳人見 滋樹
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10 巻 (1996) 5 号 p. 594-598

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抄録

症例は56歳, 女性.咳嗽, 体重減少を主訴に近医を受診し, 胸部異常陰影を指摘された.CTを中心とした画像診断を行い, 前縦隔腫瘍と診断し, 手術目的で当院に入院した.腫瘍摘出術を施行したところ, 腫瘍は左S3b領域の臓側胸膜に有茎性に付着していた.病理診断の結果, 腫瘍は紡錘形細胞と線維組織からなり, 限局性線維性胸膜中皮腫であることが判明した.術前に腫瘍の位置が縦隔か胸腔内かを, 画像上で区がするのは困難であったが, 術後の再検討の結果, MRIでは縦隔脂肪織がよく描出され, CTに比べ鑑別に有効だと考えられた.有茎性の胸膜中皮腫は肺内腫瘍との鑑別が困難であることが多いが, 今回の症例のように縦隔腫瘍との鑑別が困難な例は稀であり, 報告した.

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