日本呼吸器外科学会雑誌
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前胸壁に発生したpseudomalignant myositis ossificansの1例
沖津 宏長野 貴片山 和久
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10 巻 (1996) 6 号 p. 711-715

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抄録

症例は9歳, 男児で, 胸骨左縁の約3cmの硬い有痛性膨隆を主訴とした.胸部外傷の既往はなかった.胸部及び胸骨X線撮影にては異常所見なく, 血沈及びCRP値の軽度亢進を認めた.胸部CT, MRIでは胸骨左縁に境界不明瞭な約2.5cmの腫瘤を認めたが, 肋軟骨, 胸骨に明らかな破壊像はなかった.発症年齢臨床所見, 画像診断より悪性胸壁腫瘍を疑い, 発症3週後手術を行った.手術は第4, 5, 6肋軟骨及び胸骨左半を含む骨性胸壁切除を行い, Marlexmeshにて再建した。術中迅速診断では悪性を否定できなかった.切除標本割面は第5肋軟骨に接する2.5×2.2×1.6cmの腫瘍で, 病理所見は線維芽細胞の増生, 骨芽細胞の多い類骨組織骨新生等を認め, pseudomalignant myositis ossificansと診断した.術後21ヵ月の現在再発を認めない.本疾患の胸壁発生の報告は本邦第1例目と思われ, 過大な手術侵襲を加えたことに反省を込めて報告する.

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