日本呼吸器外科学会雑誌
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非小細胞肺癌に対する術前補助療法の意義-病理学的N2確認症例の検討-
吉村 雅裕坪田 紀明室谷 陽裕宮本 良文植田 真三久中村 宏
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10 巻 (1996) 7 号 p. 754-760

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抄録

臨床III期, bulky N2の非小細胞肺癌 (n=58) に術前補助療法を行い病理学的N2の確認された37例を対象として本法がpN2例の予後に及ぼす影響を検討した.薬剤はCDDPとVDSが各々80mg/m2と3mg/m2用いられ, 1985~1989年は1コース (n=10), 1990年以降は照射が追加された2コース以上 (n=27) の化学療法が行われた.後者27例中の19例にcOncurrent chemoradiotherapy (CCRT) が施行された.治癒切除21例の縦隔リンパ節に得られた組織効果別5年生存率はEf.2, 1 (n=11) の9.1%に対してEf.c (n=10) は38.9%となり有意に良好であった.Ef.c (ypNO);10例中の9例はCCRT後の症例であった.非治癒切除 (n=16) の原因は微量悪性胸水や肺内転移などであった.術死や在院死はなかったが晩期 (16, 23ヵ月) に関連死を2例認めた.術前補助i療法によるbulkyN2の局所制御 (組織学的CR) が治療成績向上に結びつくと考えられた.現時点における有効な投与方法はCDDPを用いたCCRT, 2コースであった.

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