抄録
検診にて胸部レソトゲン写真上異常陰影を指摘されながらも自己放置していたため, 7年間の長期にわたって経過観察し得た縦隔奇形腫肺穿孔の1例を経験した.症例は42歳女性で既往として1984年に肺炎にて入院治療を受けている.1988年の検診にて胸部異常陰影を指摘されながらも放置し, 経年的に腫瘤影の増大を認めた.7年後の1995年になりようやく精査入院.縦隔奇形腫肺穿孔と術前診断され, 1995年8月左肺上葉の合併切除と, 縦隔腫瘍摘出術を施行された.縦隔奇形腫の隣接臓器穿孔例のうち手術までの期間が長いものは, 肺, 気管支への穿孔例が多く, 腫瘍内容のドレナージが良好で, 臨床症状が軽微であったことなどがその理由であろうと推察された.