日本呼吸器外科学会雑誌
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凝固XIII因子低下を伴った巨大神経鞘腫の1例
南 寛行糸柳 則昭佐野 功窪田 芙佐雄中村 譲
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1997 年 11 巻 5 号 p. 667-670

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抄録

胸壁原発の神経鞘腫は比較的稀である.われわれは血性胸水と血液凝固第XIII因子活性値の低下を伴った本症の一例を経験した.症例は58歳女性, 労作時呼吸困難で入院.術前検査では右胸腔に巨大な腫瘍と胸水を認め, 血液凝固検査において凝固第XIII因子活性値の低下を認めた.腫瘍は肋間神経より発生した胸壁原発の神経鞘腫で19.5×14.5×13.0cm大, 重量は1760gであった.凝固第XIII因子活性値の低下による術中, 術後の出血に対し, 凝固第XIII因子濃縮剤を使用した.術後, 徐々に凝固第XIII因子活性値は正常値に回復した.

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