日本呼吸器外科学会雑誌
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手術を施行した月経随伴性気胸5例の検討
大政 貢小林 孝暢高橋 豊玉田 二郎
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2000 年 14 巻 7 号 p. 846-849

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抄録

1982年から1999年まで当科にて手術施行した女性気胸患者43人のうち月経随伴性気胸と診断した5例について検討した.横隔膜に痩孔を認めたのが4例, 残り1例は肺・横隔膜共に有意な所見は認めず, 臨床診断により両側月経随伴性気胸と判断した.横隔膜に痩孔のあった4例中3例は可及的に横隔膜の瘻孔を閉鎖した.4例に術後胸膜癒着術を施行し, 4例にGnRH analogue (以下GnRH-a) 療法を施行した.30歳前後~閉経前女性右気胸患者12例中, 月経随伴性気胸は41%と高かった.本症疑いがある場合には, 再発率が高い為, 診断, 治療の為の胸腔鏡下手術と胸膜癒着術, GnRH-a療法が望まれる.

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