15 巻 (2001) 5 号 p. 571-574
鏡視下手術の発達に伴い胸腔鏡下手術は胸部外科領域でも広く用いられている.これまで多くの鏡視下手術用の手術器具が開発され, 工夫されてきている.しかしながら, ほとんどの市販の手術器具は, 先端が金属性で, 肺をはじめ, 消化管などを操作するうえで損傷を与えてしまうことがある.そこで今回われわれは, 胸腔鏡下手術時に肺を操作しやすく改良した無傷肺把持鉗子を考案し, 改良前の同一市販品と比較実験を行い, 牽引力や使用時の組織損傷の程度を評価した.
われわれの改良型無傷肺把持鉗子は, 改良前の市販品と比較して, 垂直方向の牽引力は1.93倍で, 肺の損傷は市販の鉗子に比べ著しく軽度であった