症例は69歳, 男性.左肺結核に対する人工気胸術後48年経過した慢性膿胸に対して肺剥皮術を施行したところ, 画像的, 肉眼的には腫瘤を認めない膿胸壁内に, 組織学的に悪性リンパ腫細胞の浸潤増殖像を認めた.リンパ腫は, anaplastic large cell lymphomaで, null cell typeが疑われ, Epstein-Barr Virus感染との関連が認められた.慢性膿胸に合併した悪性リンパ腫は, 過去の報告例では一般に有痛性腫瘤で発症し予後不良とされているが, 本症例では術前の画像診断, 術中の肉眼診断では腫瘤を認めず診断が不可能であった.人工気胸術後の慢性膿胸では, 臨床的にも病理学的にも悪性リンパ腫の発生を常に念頭において膿胸壁を検索することが重要である.