抄録
塵肺症に合併した, 肺原発非ホジキンリンパ腫の1手術例を経験した.症例は75歳, 男性.胸部レントゲン写真とCTでは, 石灰化陰影, 索状網状陰影と腫瘤様陰影が混在していた.その後増大した右肺S3部の腫瘤影に対して, CTガイド下針生検を施行し, 非ホジキンリンパ腫と診断した.タリウムシンチグラムの早期後期両像で, 右S3の腫瘍部位にのみ集積像を認めたため, 孤立性の非ホジキンリンパ腫と診断した.肺部分切除術後に放射線治療を追加し, 術後1年11カ月現在, 再発なく生存中である.塵肺症に伴う慢性炎症性陰影と混在する非ホジキンリンパ腫の局在診断に, タリウムシンチグラムは有用であった.