日本呼吸器外科学会雑誌
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肺MALT (mucosa-associated lymphoid tissue) リンパ腫と肺癌が併存した1例
関 幸雄今泉 宗久福井 高幸井上 昭一
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2003 年 17 巻 5 号 p. 596-599

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抄録

肺MALTリンパ腫と肺癌が同一腫瘍内に併存した1例を経験した.症例は73才, 男性.1994年細気管炎 (bronchiolitis obliterans organizing pneumonia) の診断で3ヵ月間のステロイド入院治療歴があり, 1997年12月に同部位に結節影を指摘され増大傾向を認めたため, 1998年11月24日部分切除術をうけた.病理結果は, 肺MALTリンパ腫の診断で, 全身検索の結果, 他臓器に病変はなく肺原発と考えられ, 追加治療はなされなかった.外来経過観察中に, 部分切除部位に25mmの結節影を認め, 腺癌の診断で, 2001年5月15日右上中葉切除術+ND2aを施行した.病理結果は, 肺MALTリンパ腫の再発と高分化腺癌の診断であった.癌細胞は, ケラチン陽性, リンパ腫瘍細胞はCD20 (panB) 陽性であった.

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