抄録
M. szulgaiの2切除例を経験した.症例1: 70歳男性.肺結核に対して右上葉切除の既往あり.1989年喀血で受診し, M. szulgai症と診断された.その後, 抗結核薬による治療をおこなっていた.右肺は, 気管支断端瘻をともなった荒蕪肺となり, 菌陰性化せず, 喀血を繰り返えすため, 右胸膜肺全摘をおこなった.症例2: 42才男性.1998年1月右上葉の異常陰影を指摘, 喀疾検査にてM.kansasiiと診断された.治療中, 排菌続き, 右上葉嚢胞内に混合感染を繰り返えすため, 右上葉切除を行った.空洞壁組織よりM. szulgaiを同定した.2例とも術後排菌なく経過良好である.