日本呼吸器外科学会雑誌
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胸腺癌と末梢小型肺癌の同時性重複癌の1手術例
渋谷 祐一岡林 孝弘
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キーワード: 胸腺癌, 肺癌, 同時性重複癌
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2004 年 18 巻 2 号 p. 141-144

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抄録

胸腺癌と肺腺癌の同時性重複癌症例を経験したので報告する.症例は65歳女性.胸部違和感を訴え, 胸部X線写真にて右第1弓の突出を認めた.胸部CT検査で, 前縦隔腫瘍および右下葉S10の結節影を指摘された.左鎖骨上窩リンパ節腫大を認め, 生検にて未分化癌の転移と診断された.胸骨正中切開にて両側頸部および両側縦隔郭清を行い, 拡大胸腺摘出術, 右上葉肺の一部と心膜を合併切除した.肺病変は胸腔鏡補助下に右下葉S10区域切除を施行した.胸腺はlarge cell neuroendocrine carcinomaであり, 肺病変は径1.7cmの高分化腺癌であった.胸腺癌と肺癌の重複癌症例の報告は, 本邦では自験例を含め3例のみであり, きわめて稀と考えられた.

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