18 巻 (2004) 4 号 p. 527-531
胸部手術後に肺表面から気漏が持続することがある.このような症例に対して, 造影剤添加希釈フィブリン糊の大量胸腔内注入療法を考案し, 良好な成績を得ているので報告する. 方法は, フィブリン糊15mlを造影剤と生理食塩水にて4倍希釈を行ない, レントゲン透視下に体位変換を行ないながら, 胸腔内に注入する. 現在まで25例の難治性肺瘻に対して, 本法を行なった. 結果は, 1回の注入で気漏が止まったのは20例. 2回の注入で止まったのは3例だった. 2回注入したが気漏が止まらず, 再手術をしたのが2例だった. 再手術をした2例は, 気漏の原因が切除面からではなく, 残存肺のブラが破裂したもので, 再手術前に十分に気漏部位を評価していれば, 成功したのではないかと考えられる症例であった. 以上より, 本法は, 簡便かつ有効な治療法であり, 再手術前に試みても良い方法と考える.