1994 年 8 巻 1 号 p. 103-107
症例は49歳, 男性.左気胸による呼吸困難を主訴として受診.胸部X線写真, CTで右は巨大気腫性肺嚢胞, 左は多発性気腫性肺嚢胞であった.右胸腔内はほとんど巨大肺嚢胞で占められ, 肺実質は強く圧迫され縦隔側および横隔膜側にわずかに認められる程度であった.残存肺の再膨張を確かめるため, 嚢胞内の吸引を行い再膨張させた後, 手術を行い良好な結果を得た.巨大嚢胞により, 残存肺が強く圧迫されている症例に対し, 嚢胞内吸引は, 切除後の再膨張を確認する一つの方法であると思われた.