日本呼吸器外科学会雑誌
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病理病期 I 期非小細胞肺癌の術後早期再発例の検討
平口 悦郎岡安 健至大坂 喜彦大久保 哲之加藤 紘之田辺 達三
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1994 年 8 巻 1 号 p. 2-6

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抄録

1971年から1990年までの20年間に当科において切除された病理病期1期の非小細胞肺癌症例191例のうち術後2年以内に再発をきたした14例について分析し, さらに5年健存例52例との間で背景因子の比較検討を行った.早期再発例14例の内訳は男性10例, 女性4例であり, 年齢は37歳から77歳, 平均57.4歳であった.手術術式は肺摘除2例, 二葉切除1例, 一葉切除11例であり, 全例にリンパ節郭清度R2の絶対治癒切除術が行われていた.初回再発部位は遠隔再発が10例, 局所再発が2例, 遠隔+局所が2例と遠隔再発が高率であった.14例の初回手術後生存率は2生率57.1%, 5生率7.1%であり, 再発後生存率は2生率, 5生率ともに7.1%であった.早期再発例と5年健存例の背景因子を比較すると, 早期再発例は5年健存例に比べて腫瘤最大径が有意に大きく, 術前CEA値が有意に高かった.

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