日本呼吸器外科学会雑誌
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当科における肺アスペルギルス症切除例の検討
泉 啓一阿保 七三郎北村 道彦橋本 正治木村 愛彦
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1995 年 9 巻 2 号 p. 129-134

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抄録

1976年から1993年までの間に当科で手術施行した肺アスペルギルス症3例において, 診断と治療, 術後合併症につき検討した.菌球型が2例, 限局型ではあるが肺炎様浸潤影を伴った例が1例である, 菌球型1例のみ菌糸を証明できず術前確診がつかなかったものの, その術前胸部X線上air meniscussignが明らかであることから画像診断上肺アスペルギルス症が最も考えられた.菌球型2例では, 術後合併症もなく経過良好であった.もう1例は術後気管支胸膜瘻を発生し保存的治療で軽快したが19ヵ月後アスペルギルス症の再発をきたした.また, 菌球型の場合, 組織学的検討の結果, 肺機能が許せば区域切除よりも葉切除の方が根治性を考えると合理的術式と考えられた.

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