9 巻 (1995) 5 号 p. 568-572
胸腔鏡下肺嚢胞切除術が肺のガス交換能に及ぼす影響について, 腋窩開胸法と比較することにより検討した.腋窩開胸法6例, 胸腔鏡下手術5例に対し, 術前および術後経時的に呼気ガス分析および動脈血ガス分析を施行した.呼吸状態では両群とも呼吸数の増加, 一回換気量の減少がみられ, 分時換気量にはあまり大きな変化はみられなかった.血液ガスデータでも両群間に有意な変化はみられなかったが, PaO2において胸腔鏡下手術の方がやや良好な値を示した.VD/VTでは両群ともに一時的な上昇傾向を示し, AaDO2では手術直後より腋窩開胸法に比し胸腔鏡下手術で有意に良好な値を示した.以上より胸腔鏡下手術はガス交換能の面でも浸襲の少ない優れた方法であることが認められた.