日本呼吸器外科学会雑誌
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空冷肺保存の実験的研究
浸漬保存との比較及び prostaglandin I2 の効果
松永 幸宏
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1995 年 9 巻 7 号 p. 818-824

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抄録

空冷肺保存法を考案し, 浸漬保存法と比較検討した.雑種成犬で血液を含む細胞外液組成液で前潅流後12時間保存し同種左肺移植を行った.実験群は, 1群 (n=10) とII群 (n=4) では共に high frequency oscillation (HFO) を併用して胸膜外からの空冷保存を行い, III群 (n=5) とIV群 (n=4) では冷却生理食塩水内での浸漬保存を行った.更にII群とIV群では前潅流に先行してprostaglandinI2 (PGI2) を全身投与した.移植肺機能は3日間生存犬の右肺動脈閉塞試験で評価した.1群では8頭が3日間生存し6頭の機能評価ができた.II群は全例生存し機能評価が可能で移植肺機能は良好であった.III群は全例2日以内に死亡, IV群は3頭が3日間生存したが機能評価に耐えなかった.前潅流に血液を含む細胞外液組成液を使用した12時間浸漬保存は限界があり, 空冷保存では可能であった.前潅流に先行したPGI2投与により更に成績が向上した.本法ではHFOとPGI2が有効に作用していると考えられた.

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