抄録
本稿は留学生と日本語母語話者学部生とが共に学ぶ英語による国際共修型多文化クラスで、英語の非母語話者が心理的な言語障壁を感じてうまく参加できていない状況の改善策についての実践報告である。まず、非母語話者への配慮を含み、皆が平等に参加できることを目指す、リンガフランカとしての英語とやさしい日本語を組み合わせた部分的バイリンガル方式を導入した。その後、学生たちが学んだことのある言語すべてを複言語資源として活用するプロジェクトを導入した。平等な参加は完全に実現できたわけではないが、言語調整への見解を充実させた旨の示唆が見られた。言語障壁の効果的な軽減へのアプローチをさらに探究する必要性が提示された。