2023 年 45 巻 1 号 p. 56-61
本稿では,筑波大学の履修証明プログラム「大学マネジメント人材養成」のプログラム開発研究を元に,近未来の大学経営と経営人材養成について議論を行う.特に,プログラムデザインの基盤にある大学経営人材養成システムとそのスコープ,大学経営人材養成を支える知識の2点に焦点を当てる.リーダーとなる大学経営人材の養成においては,イノベーション志向のもと新たな実践知を生み出す力を習得してもらうことが重要である.そこでは,以下の3つの問い─①大学マネジメント及びマネジメント人材について何が問題になっているか,②知識生産のあり方は今後どう変わっていくか,③近未来の大学マネジメント及びマネジメント人材に何が求められるか─を中核とする,モード2型知識生産のフレームワークを導入することにより,議論の発展的展開が可能となる.