支援対話研究
Online ISSN : 2432-6577
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教師の信念や指導行動に対するコーチングの影響
石田 正寿
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ジャーナル 認証あり

2020 年 6 巻 p. 3-16

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抄録

人々は意識的にあるいは潜在意識的に信念を持ち,その信念をもとに行動をしている。このことは,教師 も例外ではない。これまで,教師の信念とその教育実践との関連性については,多くの研究が行われてきた。 それらによると,教師の持つ学習者についての信念は,教師のとる教授アプローチだけでなく,学習者の学 習結果を規定することが明らかになっている。一方,近年の教育現場に視点を移すと,「授業者主体から学習 者主体へ」の変化を示唆する研究や実践も多い。また,人材育成の1つの方法として企業や組織で受け入れ られてきたコーチングを教師が学び,教育実践に応用する人も増えている。 本研究は,コーチングを始めとする実践的な技能の教師の信念や指導行動に与える影響を検証するもので ある。はじめに,教師としての信念に影響を受けたものとして,コーチングを含む(209),経験のみ(123),コ ーチング以外の学び(122)に分けられた。その後,その3 水準を独立変数とし,「学習指導性」「自律性」「自 己統制性」「学習指導行動」をそれぞれ従属変数とした分散分析および多重比較を行った。結果は,経験やコ ーチング以外の学びと比較して,コーチングを学ぶことから児童・生徒(学習者),学び方のとらえや,授業や 学習指導のしかたにおける信念に影響を受けた教師は,信念と学習指導行動の両方において,児童・生徒中 心/構成主義的となる傾向を示した。

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2020 一般社団法人日本支援対話学会
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