2018 年 12 巻 p. 99-104
本実験では,木製のブロックを使用することで分詞構文の学習に効果があるか,そしてその学習内容を長期間記憶できるのかを検証し,その実践報告を行う。文法を学習する場合,いくつかの文法単元では覚える事が多く,それが負担となり,長期間記憶できない事がある。そこでサイレントウェイを導入して,学生の学習負担の軽減を図ることで,長期記憶が促進されるかを検証した。今回,実験を行い,初級クラスと中級クラスの48名の女子大学生が参加した。両クラスにおいてブロックの使用方法の説明が行われ,その後,学生はブロックを使い練習問題に取り組んだ。事後テストにおいて両クラスとも事前テストよりスコアを伸ばした。更に一ヶ月後に行われた記憶保持テストにおいては初級クラスの成績が中級クラスの成績を上回った。これらの結果から,英語の分詞構文の学習にブロックの使用が特に初級クラスで効果的であるということが分かった。