本稿では,所属大学において2006年度よりカリキュラムに加えられた「大学スタート英語」という授業の実践報告を行いながら,大学生に対する英語の基礎演習授業のあり方の一つを提案する。とかく基礎演習というと中学高校での習得事項の復習になりがちであるが,学習者が大学という環境に身を置きながら基礎を復習していくことへの精神的ハードルは高いものといえるだろう。大学生が抵抗なく既習のはずの学習事項に対峙し,曖昧な理解を克服させる演習授業を考える。いかにやる気を起こさせ,それを持続させ,基礎事項の定着を見とどけるかに焦点をしぼった授業実践について報告する。