論文ID: 2022.04.19.01
本実践研究では,中等教育における研究倫理教育の実施状況調査と研究倫理を題材としたe-ラーニングとグループ討論を用いたリメディアル教育の効果を検証した。大学初年次学生に対して実施した研究倫理の知識・理解を問うテストの結果,大学入学前の「探究」を含む調査・研究活動の経験は,研究倫理の知識・理解に大きな影響を与えていないこと,「引用」について誤った知識を持っていることが確認された。これらのことから,中等教育の現場において適切な研究倫理教育を受けていないことが示唆された。さらに,e-ラーニングとグループ討論を用いたリメディアル教育方法を行った結果,大学初年次学生の研究倫理の知識・理解を問うテストの成績向上につながることが明らかになった。