【目的】インスリン自己注射を導入して1年以内の独居高齢糖尿病患者が療養生活において抱く不安を明らかにする.
【方法】A県4地域のインスリン自己注射を導入して1年以内の独居高齢糖尿病患者に,半構成的面接を実施し,12名の療養生活上の不安を質的に分析した.
【結果】インスリン自己注射を導入して1年以内の独居高齢糖尿病患者が療養生活において抱く不安は,【独りで毎日確実に注射を続けられるか不安】【常に血糖値が気になり,血糖値に囚われてしまう不安】【知りたい情報を得ることができず,病状がわからない不安】【自分らしい生活を喪失していくことへの不安】【豪雪地域でインスリン注射をしながら独りで生きていくことへの不安】であった.
【結論】独居高齢患者が,インスリン自己注射の手技を習得し,治療を継続していくためには,外来看護師は,本研究で明らかになった独居高齢患者の療養生活上の不安を把握しながら支援を行う必要があることが示唆された.