2022 年 26 巻 1 号 p. 23-31
糖尿病重症化予防(フットケア)研修の修了者に対して,質の担保を目的とし,2013年から2020年までに計10回,ブラッシュアップ研修を開催した.ベーシック版では予防的フットケアを支援するための患者を捉える視点,看護の方向性を見出す,アドバンス版では,より専門的な知識・技術の習得を目的とした.グループワークでは,受講者同士でフットケアの困っていることを解決するための情報交換により悩みを共有し,気づきや工夫点から解決のヒントを見出していた.講義や事例検討は,講義を通して,丁寧にアセスメント・支援方法の検討を行い,深く患者を捉え,療養支援の方法を考えることができていた.この研修は,これまでの受講者のフットケア「経験」を活用することで,受講者のニーズに合った満足度の高い研修となった.今後も糖尿病患者の足を守りフットケアで支える看護師の質の担保は必須であり,それを支援するブラッシュアップ研修の継続が必要である.