アート・ドキュメンテーション研究
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皇族・華族を対象とする人名典拠情報の構築とDigital Cultural Heritageへの活用
研谷 紀夫
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 19 巻 p. 36-54

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抄録

本論文は、社会的ネットワークを重視した人名典拠情報の構築の研究の一環として位置づく研究である。具体的には、先行研究において設計した写真師を対象とした国際的な標準規格に対応したフォーマットの汎用性を検証すべく、新たに戦前の天皇・皇族・華族に関する人名典拠情報を構築した。また、それらを皇族・華族の肖像写真を掲載した資料をデジタル化して格納した資料をデジタル化して格納したDigiral Cultural Heritageの活用を試みた。
人名典拠情報の構築に際しては、前述したように、国際標準的な規格に対応したフォーマットで人名典拠情報を構築した。特に、天皇及び皇族は称号、諱、追号など複数の名称がある他、宮号と氏(姓)の対応、皇族時代の宮号と戦前の臣籍降下及び戦後の皇籍離脱以降の氏(姓)の関係などの課題がある。
上記の観点を踏まえた人名典拠情報を構築した上で、Digital Cultural Heritageにおいて、図像の像主特定のために、これらの典拠情報を使用して、アノテーションを付与した。本実証実験を通して、日本の歴史的人名の典拠情報の構築とそれらを、Digital Cultural Heritageで活用する方法についての考察を行う。

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© 2012 アート・ドキュメンテーション学会
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